ケース5
道路交通法違反の裁判。
免取りになった会社経営者の被告人が無免許運転で事故起こして起訴されました。
被告人の運転手がフェリーで神戸に帰って来たのですが、
船酔いをしてしまい車の運転が出来ない為に
被告人がフェリー乗り場まで徒歩で出向き
代わりに会社まで運転しました。
会社からフェリー乗り場まで400~500ⅿの距離だったらしく、
被告人は免許無くても良いかと判断して運転して帰ろうとしたら衝突事故を起こしてしまいました。
裁判が始まり、法廷には運転手の女性が証人として出廷していて、
まずは被告人が弁護士・検察官・裁判官から色々話を聞かれて、
今度は運転手の証人質問。
検察「あなたは被告人とはどういう関係なのでしょうか?」
証人「被告人の運転手です。」
検察「運転手は何年されてますか?」
証人「5年か6年です。」
検察「週に何度被告人の運転手をしますか?」
証人「週に一度位です。」
検察「週に一度ですか?
それ以外はどうしてるんですか?」
証人「他の仕事もあるので、副業みたいなものです。」
検察「会社の車で被告人を乗せてるんですか?」
証人「はい、たまに被告人名義の車も運転する事があります。」
検察「ちなみに月給はいくらですか?」
証人「だいたい15万円位です。」
検察「あなたは被告人の会社の社員ですよね?」
証人「いえ、社員ではありません。」
どうやら愛人の様です。
被告人から小遣い貰っているんでしょうね。
検察「社員では無いのに15万円ですか?
随分と高額な気がしますが、
誰が給料を払っているんですか?」
証人「それは・・・、
アルバイト代として被告人から頂いてました・・・。」
検察官も「愛人でしょ?」とは聞けないし、
それ以降も厳しい質問がありました。
また被告人質問に戻り。
検察「あなたは証人を15万円で雇っていますが、
何故従業員として雇わないのでしょうか?」
被告人「いや・・・、それは、
週に一度位しか車で出掛けないので、
従業員として雇う程でも無かったからです。」
検察「あなたが直接お金を渡さなくても、給料は経費で計上出来るし、
ガソリン代・高速代も経費で落とせるでしょ?」
被告人「経費も大した金額では無いし、
私のポケットマネーで十分と判断したからです。」
検察「今回事件を起こして、
本来ならあなたの奥さんが出廷して、
今後この様な事件を二度と起こさない為にも、
監視してもらう様に約束する事が筋だと思うのですが、
何故今回奥さんが来てないのでしょうか?」
被告人「それは・・・、
家族に迷惑を掛けてしまったし、
これ以上迷惑掛けられないと思って運転手に来てもらいました。」
ただ、船酔いした愛人の代わりに運転しようとしたら事故っただけです。
被告人もかなりバツが悪そうな感じでした。
論点からズレている様な気がしますが、
事件の追求の一環なのでセーフなのでしょう。
二人とも60~70代の男女でした。
こういう関係も晒け出されるし裁判は怖いですね。